ベルギーの修道院で醸造するトラピストビールとして有名なオルヴァルです。

濁りのある琥珀色。泡立ちはきめ細かくはないもののとても豊かです。アロマは熟したリンゴやなしの香りなど、フルーティーであるものの、「複雑な感じ」がします。
とても印象的なのが、強いカーボネイト(炭酸)と口の中に広がるピリピリ感 と 酸味。この酸味は、野生酵母に由来しますが、認識せずに初めて飲むと驚きます。また、ホップの苦みが際立ち、最後の余韻まで続くのは、甘さが少なく、スッキリとしているからと思います。
香りがフルーティーなのは、ドライホッピングという、麦汁の煮沸終了後にホップを投入し、揮発してしまう香りと苦みをしっかりとつけること。スッキリとした甘みの少なさは、野生酵母が麦汁の酵母に取り込まれなかった糖類(デキストリン)を食べてしまうためです。
※デキストリンとは、デンプンがαアミラーゼによって低分子化した糖類で、タンパク質などとともに、ビールの「コク」に関係します。



名称 | ORVAL |
スタイル | トラピストビール |
原料名 | 麦芽、ホップ、糖類、酵母 |
ホップ | ドライホッピングはスティリアン・ゴールディングスを使用 |
IBU | - |
AVB | 6.2% |
内容量 | 330ml |
その他 | オルヴァル修道院にて製造 |
鱒(ます)と指輪のマークの由来
11世紀、イタリアの伯爵夫人が亡き夫から贈られた大切な指輪を泉に落としてしまった。泉の中の鱒が指輪を拾ってくれたお礼に、修道院を建てたとされています。鱒が指輪を咥えて上げってきたとき、夫人は「オルヴァル(金の谷:フランス語)だわ!」と言ったため、この地はオルヴァルになったという、逸話が有名なビールです。泉はマチルドの泉という名前で、現在もオルヴァル修道院の中にあり、ビールのトレードマークにもなっています。